公認会計士の資格が、日本の公認会計士試験とは違い、働きながら取得するのことが可能であること、USCPAホルダーの転職市場での強さから注目度が高い資格となっています。
USCPAは海外の試験であること、受験要件を満たすために追加の単位取得が必要なこと、市販の教材が少ないことから、多くの方が予備校に通って資格取得を目指す試験です。
さらに、受験に当たっては、追加単位の取得、学歴審査等多くの手続きが発生し、必要な勉強時間も1500時間が目安とされていることから、一日約3時間程度勉強したとしても1.5年程度の時間がかかります。
・勉強で得た知識を直接役立てるのが難しい
USCPAはアメリカの試験のため、会計もUSGAPに習っています。
法律科目はもちろんアメリカの法律です。
こういったことから、USCPAの知識を直接活かせる仕事は少ないのです。
もちろん、USCPAを使ってキャリアアップする=USCPAを使って仕事を行うということではありませんので、気にしすぎるものでもありません。
ブログ主皆川がUSCPAを目指した理由
私、皆川は以前、USCPAの勉強をしていましたがどうしてもAUDが受からずに、現在勉強を辞めてしまっています。
そもそも、なぜ、私がUSCPAを目指したのかですが、
私は当時、会計系コンサルファームでコンサルタントとして働いていたこともあり、上述したUSCPA取得メリットが享受しやすい立場にいたためです。
もちろん、取得に際してデメリットも理解しておりましたが、USCPAという響きに負けてしまい、なんかかっこいいといった軽い気持ちでした。
結果的に、現在USCPAはとれておらず、勉強は失敗だったかと思われますが、そんなことはありません。
USCPAの勉強をしていたおかげで、グローバルPJにアサインがされることもあり、
自分のスキル向上に繋がりました。
また、人事評価では、当該グローバルPJが評価されて周りより早い段階でシニアコンサルタントにプロモーションを果たせました。
プロモーションにより年俸は100万以上上がりました。
グローバルPJの経験や早いプロモーションができたことで、投資したお金と時間はある程度回収できたのではないかと思っています。
USCPA取得に必要な勉強時間・期間・試験難易度
ここまで、USCPA取得のメリット、デメリットを紹介してきました。
続いては、実際にUSCPA取得を検討するに当たって必要な勉強時間と期間についてです。
必要な勉強時間・期間
約1500時間が必要とされています。
さらに、USCPAは4科目制で、科目ごとに受験することが可能です。
受験する科目に順番はなく、自分の好きな科目から受験していけば大丈夫です。
最終的に4科目合格+実務経験等のその他要件を満たすことでUSCPA取得となります。
・USCPAの試験科目
- FAR:会計・財務
- AUD:監査論
- BEC:経済
- REG:法律
試験は4択問題5割に、簡単な記述式5割から構成されています。
記述式といっても、英語で解答するわけではなく、プルダウンから仕訳科目を選択したり、金額や正しい選択肢を選ぶ問題となっております。(BECには一部英語の記述問題あり)
ここで問題となるのが、4科目合格に期限が付されていることです。
1科目目合格から18か月以内に残りの3科目も合格しないと、180日経過した科目から順次合格が取り消されるのです。
例)
0日目:1科目目合格
50日目:2科目目合格,3科目目不合格
170日目:3科目目合格,4科目目不合格
180日目:1科目目の合格取消
2科目目合格から180日以内に、1科目目と4科目目に合格する必要あり、
このように、180日以内に全科目合格の必要があり、多くの受験生が最初の科目が合格の取り消しになるなど、USCPAを挫折する壁にもなっています。
最初の科目合格から180日以内に全科目に合格する必要があるため、最初の科目合格までに半年程度費やした場合、残りの科目を180日以内で取得する必要があるので、早い人はだいたい1年程度で取得することが可能です。
一方で、1年で取得するのはかなり優秀な部類であるため、TOEIC800越え+簿記2級以上の知識がある場合などを除き通常1.5年程度(一日平均3時間弱)は必要です。
1.5年というのはストレートで受検をパスした場合ですので、数度試験に落ちることを考慮に入れて2年以上は見ておいた方がよいかと思います。
USCPAの勉強に簿記・英語の知識は必要か
簿記の知識があるとUSCPAではかなり有利となります。
少なくとも、FARに関しては、簿記の知識が大いに活かせるため、量が多く、一番最初に挑戦されることが多いFARが有利になるのはかなりのアドバンデージです。
そのため簿記の2級ぐらいの知識があるとFARはかなり余裕を持って勉強ができます。
一方で、USCPAのFARに出てくる、会計・財務の問題は簿記2級よりかもはるかに簡単であるため、予備校の講義を確り聞きながら勉強すれば、十分補えるものでもあります。
ただし、USCPAのキモは、やはり英語です。英語力に左右されるかと思います。
予備校等のHPを見ているとTOEIC500点代でも目指せるなどとあります。
私のTOEICは650点です。
残念ながら650点の英語力ですが、FARとBECは大丈夫でしたが、AUDとREGはかなりきつかったです。
特にAUDに関しては、英語力が原因で落ちたのではないかと思っています。
勉強中も、監査論の勉強というよりかは英語の翻訳みたいな感じになっていました。
そのため、私個人の考えですが、TOEICは700点以上あったほうが良いと思います。
もちろん、700点以下でも十分合格は目指せるかと思いますが、かなりの苦労を覚悟する必要があるかと思います。
USCPAの予備校比較
続いては、USCPA取得を目指すに当たっての予備校比較となります。
上述しているとおり、USCPAは全て英語のなかで、かなり複雑な手続きを実施する必要があること、追加の単位取得の必要性、市販の教材不足から日本のほとんどの受験生が予備校を利用しています。
各予備校のコースは、日本の会計士を持っている人用のコース等を外し、一般的と思われるコースを選定しています。まずは、比較結果概要からです。続けて、後段で料金の詳細を紹介します。
詳しい料金は各予備校のHPからご確認ください。
(Abitus HP)
USCPA予備校の比較結果概要
私が各予備校を比較したときに主に指標にしたものは、
講義時間、講義内容、その他サービス、料金比較(詳細)の4つです。
・USCPA講座の講義時間
講義時間についてですが、大原が一番長く288時間。
TACのBeckerコースは経験者コースのため96時間と一番短いです。
そのため、通常の初心者コースではAbitusが218時間と最短です。
記載の講義時間には基本的な講義のみで、問題集の解説や直前対策は含まれておりません。
過去は、TACの講義が一番長く、Abitusの講義が一番短いのが特徴だったのですが、今はどの予備校もあまり変わらず、ここからは特徴を読み取れません。
ただ、TACは他の資格含め講義・テキストの内容が深く網羅性があると言われています。
実際、USCPAでもそうであり、Abitusや大原は網羅性より効率性を重視しているのが実態です。
TACやAbitusは実際に今のことをうたっており、両者の特徴がはっきりしています。
じっくりと網羅的に勉強したい人はTAC、隙間時間で効率的に勉強したい人はAbitusが良いのではないでしょうか。
・USCPA講座の講義内容
次に講義内容についてです。
TACはUSCPA予備校では有名なBecker教材を使っています。
また、TACの他の資格の評判を考えれば、講義内容はおそらく文句ないのでしょう。
Abitusは、合格に必要なものに限定した内容となっているそうです。
大原、プロアクティブはテキストが英語だったりと、英語上級者のみを受講対象者に絞っております。
プロアクティブは、佐々木講師という有名な方がおり、それぐらいでしょうか。
予備校としての規模も小さく、サービスも弱めです。
それでも、佐々木講師の特異性のおかげで、有名な予備校です。
Abitusの講師ですが、主に伊藤先生と竹野先生のお二人なのですが、
竹野先生の講義はあまり中身がありません。
テキストを読んでいるだけ、問題の解説もありきたりな内容であまり為になりません。
伊藤先生は、喋りがうまく、解説もテキストに載っていない内容や具体的な例示を出してくれます。
問題の解説も、なぜ他の選択肢がダメなのかを丁寧に説明してくれて非常に良い講師だと思いました。
正直、伊藤先生の一本打法にしたほうが良いと思ってしまったり。
・USCPA予備校のその他サービス
Abitusとプロアクティブは5年間サポートで、TAC・大原は2年間のみです。
TAC・大原も別料金を払えばサポート期間延長ができます。
USCPAを勉強しており思うことは、英語上級者でない限り2年以内の合格は難しいのではないかと思います。
もちろん英語上級者でなくても、2年以内の合格の可能性は十分あると思いますが、
一度どこかで躓くと、2年超過はほぼ必須です。
もともと3ヶ月ぐらいしか勉強してない科目を1年半後に再受験するとなると、ほぼ勉強のやり直しが発生します。
自分に自信のある方以外は2年で受からない可能性があることを十分に考慮した方が良いと思います。
ただ、再受験する労力が大きすぎて、2年以内で合格できない方は、受検をあきらめてしまう場合が多いのかと思います。(私もそうでした)
TACも5年延長ができますが、都度都度それなりのお金を払っていくとのは精神的に結構ダメージが大きいのではないでしょうか。
ただでさえ、1科目の日本での受験料が5万以上する中で、別途お金が出ていくのは精神的につらいのではないでしょうか。
合格を途中で諦めてしまう人の大半がお金だと思うんですよね。
受験料が1万ぐらいなら受かるまで何度でも挑戦できますが、
5万以上すると、1度落ちただけで、2回目をすぐ受ける勇気が出ないです。
Abitusは値段が高いですが、5年間サポートは過去においては他の予備校の追随を許さない利点だったのですが、
TACのサービスがどんどん拡充していきAbitusの良さが相対的に弱くなっている印象です。
ただ、Abitusは、最近電子対応を急激に進めており、問題集、テキストのアプリを導入したりとスマホでの勉強がかなりやりやすいです。
特に、講義は論点ごとに数分から20分ぐらいに分割されており、隙間時間で勉強したい方にはかなり強力なツールかと思います。
大原とプロアクティブは過去数年感サービスに変化なしですね。
USCPA予備校の料金比較詳細
比較するのは、Abitus、TACの2つです。
資格との大原とプロアクティブは、制度に特徴があり、金額で比較するものでないと判断したためです。
金額を比較するといっても、どのコースを受講して、どういったオプションや割引を利用するかによって金額は大きく上下します。
そこで、前提条件を仮定してAbitusとTACの予備校の料金比較を簡易的に行いました。
予備校 | Abitus | TAC |
コース | ライトパック | 総合本科生Plus(教室) |
基本料金 | 569,000 | 514,000 |
サポート期間 | 5年間 | 2年間 |
サポート期間を5年に延長 | ー | 講義10回8,800から (全科目5年間延長すると約70,400) |
入学金※1 | 10,000 | 10,000 |
主な割引※2 | 20,000 | 30,000 |
※1 説明会参加等で入学金が免除になるケースが多い。
※2 説明会参加等多くの方が免除対象になる可能性が高い割引の中で最大値を利用
Abitusはライトパック、TACは総合本科生Plus(教室)を選んでいます。
これらを選んだ理由は、
まず、Abitusは高額なフルパックがありますが、これとライトパックの違いは無料で取得できる単位の数です。
USCPAの試験要件を満たすだけならライトパックでも十分です。
フルパックを付ければ、試験合格後のライセンス要件を満たすことができますが、
それは、試験に受かってからの話で、まずは試験に受からないと関係ありません。試験に合格するには、一回5万以上する試験を何度も受けることになるため、初期費用は安いにこしたがありません。
そのため、費用比較の観点から高額なフルパックは比較に含めませんでした。
TACの総合本科生Plusを選んだ理由は比較対象のコースと比較して費用対効果が高いと考えたためです。
少し安い金額に総合本科生というコースがありますが、値段があまり変わらないわりに、問題集に日本語訳がついてないなどあるためで、総合本科生Plusをお勧めしています。
AbitusとTACの予備校比較結果
上記で金額を出している通り、AbitusのライトパックよりTACの総合本科生Plusの金額のほうが安いです。
しかしながら、TACの場合標準が2年間サポートであるため、2年以上かけて試験をパスする可能性があるなら、有料の延長サポートを考慮する必要があります。
延長サポートは科目ごとにできるのですが、2年超える場合は、おそらく全科目の延長になる可能性が高いです。
その場合、Abitusのライトパックのほうが金額有利になります。
予備校比較結果まとめ
以上でUSCPAの予備校比較をサービス、価格の面からみてきました。
通常の受験生の大半がAbitusとTACで悩まれるのではないでしょうか。
両予備校ともUSCPA合格の実績は申し分ないため、両方の説明会を聞いていただいたうえでご自身に合う方を選ばれたらよいと思います。
説明会や資料請求はこちらからできます。
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